小型ワイヤレス製品向けに最適化された Bluetooth LE/Bluetooth 5.2 対応超小型モジュール

太陽誘電の新型モジュール、NordicのnRF52805 SoCを採用することにより、極めて小さなフォームファクタで高いデータ処理能力と接続性を実現

-超低消費電力無線ソリューションのリーディング・プロバイダーであるNordic Semiconductor(OSE:NOD、以下Nordic)は本日、東京に拠点を置く電子部品および無線モジュールメーカーの太陽誘電株式会社(本社:東京都中央区/代表取締役社長:登坂 正一、以下 太陽誘電)が、同社の「EYSSSNZWW」モジュールに処理能力向上とワイヤレスコネクティビティを兼ね備えた、NordicのnRF52シリーズ最新モデルnRF52805 Bluetooth® 5.2 /Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE)SoC(System-on-Chip)を採用したことを発表しました。

nRF52805 SoCは、わずか2.48 x 2.46mmのWafer Level Chip Size Package(WLCSP)であり、モジュールサイズは最適化された3.25x8.55x1 mmのサイズで提供されます。太陽誘電によれば、「EYSSSNZWW」は、高性能PCBアンテナを 組み込んだBluetooth LEモジュールとしては市場で最小のモジュールとなります。NordicのSoCは小型で低コストな2層基板設計に最適化されており、これを用いたモジュールは各種認証(米国のFCC、カナダのISED、および日本のMIC)を取得済みで、スマートリストバンドやペン、メガネ、使い捨て医療機器のほか、IoT用途の小型センサーノードといった大量生産品や使い捨て型製品の設計に最適です。

また、3つのセンサーボードとそれらをモジュール評価用ボードに接続するためのアダプターボードを使用することにより、センサーノード開発が可能になります。サンプルコードは太陽誘電のウェブサイトからダウンロード可能です。
 
NordicがBluetooth Low Energyのナンバーワン企業であることと、開発者向けの充実したサポート内容
太陽誘電の商品開発部次長の青木 幹雄氏は次

nRF52805は、パワフルな64-MHz 32-bit Arm® Cortex®-M4プロセッサを搭載し、192KB Flashと24KB RAMを搭載しています。マルチプロトコル無線(Bluetooth LE/2.4GHz)は、最大+4dBmの出力と-97dBmの感度(1 Mbps Bluetooth LE)で、101dBmのリンクバジェットを実現します。無線のピーク消費電力はわずか4.6mA(TX 0dBM、RX 1Mbps)で、SoCの消費電流はシステムオフでわずか0.3µA、システムオンでは24KB RAMが保持されRTCが起動した状態で1.1µAとなっています。SoC は、SPIやUART、TWIなどの幅広いアナログおよびデジタルインターフェイス、2チャネル12-bit ADC、およびGPIO 10本を搭載しています。

nRF52805は現在S112 SoftDeviceに対応しており、S113 SoftDeviceにも近々に対応予定です。S112およびS113 SoftDevice(Bluetooth 5.1認証済みプロトコルソフトウェア)は、2Mbpsの高スループットおよびCSA #2の両機能に対応するメモリ最適化されたペリフェラル用スタックであり、ブロードキャスターと同時並行する1つのペリフェラルとして最大4つの接続をサポートします。また、接続の本数と1接続あたりの帯域幅を設定できるため、メモリと性能の最適化が可能になります。S112 とS113はいずれもLE Secure Connectionに対応しており、LE Legacy Pairingと比較してセキュリティ性能が向上しています。S113ではLE Data Packet Length Extensionにも対応しているため、パケットあたりのスループットが増加し、オーバーヘッドが低減します。

太陽誘電の商品開発部次長の青木 幹雄氏は次のように述べています。
「当社がnRF52805 SoCモジュールを選択した理由は、パワフルなArm Cortex M4プロセッサと、非常に優れた無線感度、そして消費電力の小ささにあります。また、NordicがBluetooth Low Energyのナンバーワン企業であることと、開発者向けの充実したサポート内容を考慮すれば、これは正しい選択だと思います」

評価ボードとサンプルモジュールは2020年第3四半期に提供可能となる予定で、量産は第4四半期を見込んでいます。