セルラーIoTプラットフォームがネットワーク接続エラーをデバッグし、 商品化を加速

09
May
2022
Oslo, Norway
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NordicのnRF9160 SiPを搭載したBraveridgeの「BraveLINK」および「BraveGATE」、ネットワーク接続エラーの短時間での解決とセルラーIoT開発のリードタイムの大幅な短縮を実現

 超低消費電力無線ソリューションのリーディング・プロバイダーであるNordic Semiconductor(OSE:NOD、以下Nordic)は本日、日本のIoTソリューション企業の株式会社Braveridge(本社:福岡県福岡市/代表取締役社長:小橋 泰成、以下Braveridge)が、ネットワーク接続エラーを自動で解決する「BraveLINK」とIoTプラットフォーム「BraveGATE」を発売したことを発表しました。これらを組み合わせることで、開発者がNordicのnRF9160 System-in-Package(SiP)を用いて設計を行う際のセルラーIoTの実装が高速化されます。 

Braveridgeでは広範なテストおよびデバッグのプログラムを実施し、ネットワーク接続のさまざまな問題に関する詳細なエラーログのカタログを作成しました。このエラーログには、nRF9160 SiPのArm Cortex-M33専用アプリケーションプロセッサから、一般的なデバッグツールやインターフェイスツールを使用して簡単にアクセスできます。Braveridgeはこのエラーログ内の情報を用いて、これらの一般的なネットワークエラーを解決するソフトウェアの修正プログラムのライブラリを生成しました。次に、これらの修正プログラムを、nRF9160のアプリケーションメモリ内にあらかじめプログラミングされたライブラリ内にあるBraveLINKライブラリに組み込みました。  

このソリューションは、1MB Flashと256KB RAMを搭載したnRF9160専用アプリケーションプロセッサが、LTE-M/NB-IoTモデムと同じパッケージに組み込まれていることで実現されるものです。これは、UARTを介してセルラーモデムと通信する外部プロセッサを利用する競合他社のセルラーIoTモデムを搭載したシステムとは対照的です。その上、従来のセルラーIoTモデムを構成する際は、デバイスとクラウドアプリケーションの間でネットワークデータやコマンドを共有するために2つ以上のクラウドサーバーが必要となります。そのようなシステムでは、デバイスの頻繁なリセットやリブート、複雑な開発やデバッグのプロセスを必要とするセッションエラーやデータの破損といった、ネットワーク接続の問題が発生しがちです。このネットワークトポロジーでは、想定外のモデムの動作を外部から診断し、次に外部プロセッサを使用してネットワーク接続の問題を解決することが非常に困難となります。 

Quote
nRF9160 SiPに組み込まれたの専用アプリケーションプロセッサがなければ、このセルラーIoTシステムの実現はなかったでしょう。
Braveridgeの代表取締役社長である小橋 泰成氏

BraveGATEクラウドサービスは、サーバーとして機能するnRF9160 SiPを搭載した(そして複雑なネットワーク通信エラーを論理的に解決するためのBraveLINKライブラリを使用してプログラミングされた)セルラーIoTデバイスのみを使用するIoTプラットフォームです。このシステムでは、ユーザーアプリケーションサーバーがエンドデバイスの「クライアント」として機能します。運用時は、「サーバー」として機能するBraveLink搭載のnRF9160 SiPに、ユーザーアプリケーションサーバーからHTTPリクエストが送信されます。次にBraveGATEがそのHTTPコマンドをバイナリリクエストに変換してエンドデバイスへ送信し、さらにそのエンドデバイスが、同じバイナリ型式で要求されたデータをLTE-M LPWANを介してBraveGATEへ返します。その後BraveGATEがバイナリデータをHTTP型式に変換してクライアントに応答します。BraveGATEとユーザーアプリケーションサーバーの間のインターフェイスはHTTPのみであるため、ユーザーはバイナリの伝送を意識することがなく、システムはユーザーアプリケーションのオンデマンド型インターフェイスとして動作します。  

このシステムの主なメリットとして、BraveGATEではセルラーIoTサーバーの特定の運用に合わせた改修が必要ないために、開発時間が数ヵ月、場合によっては数年単位で短縮されることがあげられます。セルラーIoTデバイスのメーカーは、エンドデバイスのアプリケーションファームウェアとクラウドアプリケーションのみに集中すればよくなります。このふたつの間のすべての問題は、BraveGATEによって解決されます。また、従来のIoTプラットフォームと異なり、データの伝送にMQTTプロトコルが必要ありません。その結果、実装が簡単なIoTプラットフォームが実現し、短期間での商品化が可能となります。Braveridgeによれば、BraveGATEを導入した結果、開発期間が50%短縮され、コストは90%以上も削減されたと報告されています。 

nRF9160 SiPはグローバルなセルラーIoTアプリケーション向けに開発された認証取得済みのSiPで、専用のアプリケーションプロセッサとメモリ、RFフロントエンド(RFFE)を統合したマルチモードのLTE-M/NB-IoTモデム、GNSSおよびパワーマネージメント機能が、10x16x1mmのコンパクトなパッケージに組み込まれています。Trusted Execution用のArm TrustZone®、およびアプリケーション層セキュリティ用のArm CryptoCell™ 310も備えています。nRF9160 SiPのLTEモデムはSIMとeSIMの両方に対応しており、700~2200MHzのLTEバンドのサポート、23dBmの出力電力、LTE-Mでの受信感度-108dBm、NB-IoTモードでの受信感度-114dBm、50ΩのシングルピンアンテナおよびUICCインターフェイスを提供します。

関連製品には、事前認証済みのシングルボード開発キットであるnRF9160 DKと、アプリケーション層プロトコルとアプリケーションサンプルを含むソフトウェア開発キットnRF Connect SDK、事前認証済みおよび事前コンパイル済みダウンロードとして提供されるLTEモデムファームウェアなどがあります。 

Braveridgeの代表取締役社長である小橋 泰成氏は次のように述べています。 

「nRF9160 SiPに組み込まれたの専用アプリケーションプロセッサがなければ、このセルラーIoTシステムの実現はなかったでしょう。以前は、LTE-Mネットワークから割り込みが発生した場合、UARTを介して外部アプリケーションプロセッサでその状況を処理する必要があり、大変に手間のかかる作業でした。しかし、nRF9160の組み込みアプリケーションプロセッサのおかげで、この作業が圧倒的に楽になり、全体のバグ発生率も大幅に削減されました」 

「nRF9160を搭載したBraveLINKはこの2年間で約3,000インストールが継続的に運用されており、ネットワークに関連する通信エラーは1件も発生していません」 

Braveridgeは、BraveGATE IoTプラットフォームとの運用が可能な、nRF52シリーズやnRF9160の通信、センサーおよび電源ユニットを複数提供しています。