Nordic SemiconductorのnPM1300 PMIC、量産化へ

高集積電源管理ICの量産化により、サンプルやnPM1300 EKをベースに製品開発をされていたお客様の商業生産への移行が可能に

超低消費電力無線ソリューションのグローバルリーダーであるNordic Semiconductor(OSE:NOD、以下Nordic)は本日、先日リリースしたnPM1300電源管理IC(PMIC)がNordicの販売ネットワークを通じて大量に購入可能となったことを発表しました。nPM1300は本日よりQFNパッケージで購入可能で、CSP(チップスケールパッケージ)は近日発売の予定です

NordicのPMIC担当製品ディレクターであるGeir Kjosavikは次のように述べています。 

「nPM1300 PMICの量産化が開始されたことを、大変嬉しく思います。今回の量産化により、当社より提供したサンプルをベースに製品開発をされていたお客様や、nPM1300評価キットを使用して部品を評価されていたお客様が、プロジェクトを迅速に進めることが可能となります。nPM1300は市場で大変好評をいただいておりますので、現在開発中のお客様に、安心して最終デバイスの商業生産に入っていただけることは非常に喜ばしいことです」 

バッテリー駆動型の運用に最適 

超高効率降圧DC/DCコンバーター2個と、低ドロップアウト(LDO)電圧コンバーターの役割も果たす負荷スイッチ2個を搭載し、充電機能を組み込んだnPM1300は、バッテリーで駆動する用途に最適です。通常は個別コンポーネントを5つ以上必要とする回路を単一のチップに組み込むことにより、最終製品の部品表(BoM)を削減します。回路には、低電力ワイヤレスが必要な用途に役立つシステム管理機能と正確な残量測定機能も内蔵されています。  

独自の残量ゲージ機能 

独自のアルゴリズムを使用したnPM1300の残量ゲージ機能は、バッテリー電圧・電流・温度監視機能を使用し、電圧ベースの残量ゲージよりも高い精度を実現する一方で、PMIC自体の電力消費をクーロンカウンタータイプの残量ゲージよりもかなり低く抑えています。Nordicは、お客様の使用前バッテリーの分析を残量ゲージベンダーに依存させることなく、高い精度と低電力消費のバランスを実現した初めての企業です。 

nPM1300は市場で大変好評をいただいておりますので、現在開発中のお客様に、安心して最終デバイスの商業生産に入っていただけることは非常に喜ばしいことです
Nordic SemiconductorのPMIC担当製品ディレクターであるGeir Kjosavik

nRF Connect SDKを通じたサポート 

nRF Connect SDKとnRF Connect for Desktopの最新リリースでは、nPM1300 PMICの全機能が完全にサポートされています。生産の最終段階のため、nRF Connect SDKにはドライバーが搭載されており、nRF Connect SDKをベースとする新規および既存のアプリケーションへの組み込みが容易になっています。  

PMICドライバーが組み込まれたことで開発プロセスが簡素化され、開発者の作業体験が全体的に向上します。また、nPM PowerUPアプリが更新され、nPM1300の全機能が搭載されたほか、nRF Connect SDKのアプリケーションで使用するオーバーレイのエクスポートも可能となりました。これにより、nPM1300の評価とそれを使用した開発が容易になり、直感的なグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)でnPM1300の設定作業もシンプルに行えるようになります。その後、構成コードをSystem-on-Chip(SoC)やマイクロコントローラーに移植し、アプリケーションソフトウェアと統合することが可能です。 

電源管理製品ポートフォリオの一部としての製品展開 

nPM1300を補完する製品として、Nordicの電源管理製品ポートフォリオに含まれる、バッテリーの充電と電源供給を行う超小型PMICのnPM1100、および高度な用途向けのマルチレールPMICのnPM6001があります。